共働き家庭では特に、作り置きや時短レシピといった手早く食事の支度をするための工夫が欠かせません。ですが、そうした工夫が「手を抜き過ぎ?」「からだによくないかも?」といった罪悪感や抵抗感と背中合わせとなりがちという事情も。
その点、調理過程の省力化ならメリットだけ!
当たり前に行なっている調理プロセスを見直して、食事づくりにかける手間と時間をもう一段減らしましょう。
ポイントは、「洗う」を減らして省力化と「歩かないキッチン」でスピードアップの2つです。
目次
1.共働き料理は「洗う」を減らして省力化
調理そのものとは別の付随作業であることから、調理器具類を洗う手間は見逃がされがち。でも、洗わずに済ませられるなら洗わないことは確実に時短につながります。
1-1.包丁とまな板を洗う頻度を最小限に
サラダ用の野菜を切る前にうっかり油揚げやハムを切ってしまうと、次に移る前に包丁とまな板を洗剤をつけて洗わなくてはならなくなります。材料をカットする前に順序を考えましょう。
基本は野菜ファースト。
カットするのが野菜であれば、包丁やまな板はサッと水洗いするだけで済むことが大半。さらに、同じ野菜でも種部分がこぼれるトマトやでんぷん質が残るジャガイモ、土汚れがつきがちなゴボウなどを後回しにするようにすれば、そうした水洗いも最低限で済みます。
もっといえば、同じ料理で使う野菜であれば、前に切った野菜の切りくずが残っていたところでどうせ混ざるのですから水で流す必要さえありません。
1-1-1.牛乳パックなら洗わずにポイでOK
肉や魚は買ってきたときのトレイや紙経木(表面のツルツルした食品包装紙)の上でカットするのがベスト。それが無理なら切り開いた牛乳パックなどを「使い捨てまな板」として利用しましょう。
一番厄介な肉・魚類のベトベト脂汚れを洗い落とす必要がなくなりますし、まな板へのニオイ移りも気にしなくて済みます。
1-1-2.必ずしも包丁でなくてもいい
肉や魚をカットする場合、まな板だけでなく包丁も使わないで済めば、なお結構ですよね。
キッチンばさみを使えばトレイなどの上でも楽に切れますし、切るものによっては包丁の代わりにテーブルナイフを使うのも一案です。
包丁の場合食洗機で洗いづらいことも多く、次に切るもののために早々に洗っておかなくてはいけないケースも少なくありません。(最後に揚げたフライをカットする際に「しまった!まだ包丁を洗ってなかった!」と慌てたことはありませんか?)
使い終わったキッチンばさみやテーブルナイフをすぐに洗わないと困るということは一般的に包丁の場合よりも少ないはずですので、食洗機に入れて待機させておけばOKです。
1-2.ビニール袋を使いこなす
下味付けや揚げ物の粉をまぶす工程などでビニール袋を活用している人は多いのではないでしょうか。
もう一歩進めて、ハンバーグのようなひき肉料理にもビニール袋を活用してみましょう。
作る量にもよりますが、ビニール袋にひき肉と調味料類を入れて手でいくらか揉めば、ボウルに入れてこねたのと同じようにタネを準備できます。
ちなみにこのつくり方はミートボールの場合には一層有効です。こね終わったら袋の角を切り落として絞り出し袋のように使うことで楽に丸められますし、洗い物も減らせます。
ただし、このような使い方をする場合、それなりに強度のあるビニール袋を使わないと破れてしまうこともありますので注意してくださいね。
1-3.フライパンもできるだけ洗わずに済むように
使い終わったフライパンを都度洗うのは大変。といって複数を使うと後が大変ですよね。
家庭でよく使われているテフロン加工のフライパンなら、調理内容にもよりますが、熱いうちにキッチンペーパーなどで油や汚れを拭い取れば概ねきれいになります。
炒め物程度なら拭うだけで次の調理に移れることがほとんど、鍋肌にほぼ何も残らないような料理の後なら拭う必要すらない場合もあります。
深さのあるフライパンを鍋代わりにして野菜などを茹でただけなら、気になりさえしなければお湯を捨てるだけで大丈夫。熱いうちなので残った水滴もすぐに蒸発します。
たとえば温野菜を茹で、玉子焼きを焼き、麻婆豆腐を作るなら(フライパンのサイズ面での問題さえなければ)1つのフライパンで途中一切洗うことなく連続して調理可能です。
2.「歩かないキッチン」で共働き料理をスピードアップ
材料を取りに行ったりツールを持ってきたり、調理中は意外と行ったり来たりしているものです。そうした動きが極力発生しないような環境を整えましょう。
2-1.カトラリー類はひとまとめに
お箸やフォーク、スプーンなどのカトラリー類をまとめて1か所に収納していますか?もしそうしているなら置き場所も工夫してみましょう。
カトラリー類が必要となる場所は間違いなく食卓ですので、食卓まわりにスタンバイされているのが一番効率的。
理想は天板裏に引き出しがついているタイプのテーブルを利用してテーブル収納とすることですが、それが無理ならテーブル至近にカトラリー類をまとめて入れたケースやカゴなどを置くようにしてみましょう。
配膳の際に家族の協力も得やすいですし、事前にお箸などを並べることをせず食事開始時に各自が取るというスタイルにしてもよいかもしれませんね。
2-2.キッチンカウンターの上はすっきりと
本格的なカウンターでなくとも、対面型キッチンによくある目隠し壁の立ち上がり上部をカウンター風に利用しているご家庭は多いのではないでしょうか。
しかし、そんな便利なカウンターが、ポストから取ってきた郵便物やとりあえずのつもりで置いた雑多な品で常に占領されているというケースも少なくないようです。
ヒョイと物を置きやすい場所だからこそそういったことになってしまうわけですが、そんな便利な場所をふさいでしまっているというのはやはりもったいない!
すっきりと片付いていれば、作業スペースに置く代わりにカウンターの上に置けるので作業も配膳もしやすくなります。
2-3.一時置き場があれば「まとめてピックアップ」が可能に
必要な食材や食器を冷蔵庫や食器棚から都度取り出していますか?
まとめて取り出せば効率がよいのはわかっていても、取り出したものをワークトップに置いてしまうと作業スペースが狭くなってしまうからできないという人も多いのではないでしょうか。
前述したようにカウンターに置いておければ楽ですが、奥行きが狭いことから食器はまだしも複数の食材をドサッと置くには向かないことが多いです。
たとえば電子レンジの上、食器棚に据え付けのスライド式の棚など、臨時の置き場として利用できる「他に何も置かれていないスペース」を確保しておけば、冷蔵庫や食器棚との往復を減らせます。
2-4.配置換えするならコックピット化を目指す
調理をする空間として理想的なのは、手を伸ばしさえすれば必要なものにすぐアクセスできる環境。その場を動く必要がないということは、それだけタイムロスが少なくなるということです。
使いやすくするための配置換えを考えているなら、上下左右に手を伸ばした範囲内に必要なものが全てある状態、たとえるなら飛行機などの操縦席であるコックピットのような空間に近づけると、調理効率がグッと上がりますよ。
3.まとめ
「材料を入れて20分間煮ます」といった次の瞬間に20分間煮終えたものがパッと出てくるのが料理番組。手早いわけですよね。
ですが、番組内でサクサクと調理が進む理由はそれだけではありません。
調理器具を洗うプロセスが省かれていること、作り手の調理中の移動がほとんどないことも、あっという間に料理が完成する理由です。
家庭でそれを実現するのは困難ですが、それに近づけることは可能。料理番組並みの調理プロセスのスムーズさなら、焦りやイライラもなくなりそうですね。