繰り返しタスクや細かなタスクの集まりは、いちいち考えなくてもスムーズに処理されていくようなシステムを構築して回していくに限ります。そして、細かなタスクの繰り返しである家事にもそれは当てはまります。
判断や決断の連続が気力を少しずつ奪っていくのをストップする家事のシステム化。その具体例をご紹介します。

1.在庫管理を自動化

トイレットペーパー

気がつくとなくなっているティッシュペーパー、ラップフィルム、補充頻度は高くないものの時折チェックの必要なシャンプーや歯ブラシ、消臭芳香剤など。
日用消耗品とひと口にいってもその種類を数え上げてみると驚くほどに多いものです。

そんな日用消耗品を、そろそろなくなりそうだと気づいたタイミングで個々に補充していたのでは、手間や時間がかかるのはもちろんのこと「今度買い物に行ったときにあれを買ってこなくては」と頭の片隅に覚えておくのだって負担です。

そんな負担をなくすため、月に一度あるいは隔週など定期的に家中の日用消耗品を総点検して一気に調達するようにしているというご家庭も少なくないのではないでしょうか。

それをもう一歩進めてみませんか?

Amazonの定期配達(定期おトク便)などを利用して自動化し、総点検の手間さえかからないようにしてしまいましょう。

アイテムごとに補充サイクルが異なるため、その見極めが最初に必要ですが、運用しながら徐々にサイクルを見極めていっても問題はありませんし、それさえ済ませれば以降は基本的に自動運転。

在庫のダブつきなども出てくるかもしれませんが、そうした場合にはクリックひとつでそのアイテムの次回配送をスキップするなどすればよいだけです。

こちらが気にかけていなくても勝手に補充されるということは、想像以上に気持ちを楽にしてくれるはず。

2.冷蔵庫内の在庫を見える化

せっかく買っておいたものを冷蔵庫の奥にしまいこんでしょっちゅう腐らせたり、チューブ入りの薬味やら調味料やらを切らしたりしがちだとしたら要注意!

庫内の在庫状況を把握できていないということは、在庫管理にも必要以上の労力を要してしまうということです。

ジャムやヨーグルトなどをまとめた朝食用、佃煮やお漬物などをまとめたご飯の友用といったように用途別のトレーでグループ分けをして、庫内の見える化を計りましょう。

また、たとえば朝食時には朝食用のトレーごと冷蔵庫から取り出せばOKですので、時短効果も見込めます。

3.毎日の献立をサイクルメニュー化

毎日の献立に頭を悩ませている方も多いはず。
「栄養バランスを考えて」「肉ばかり続かないように」といったことを考慮しながらの献立づくりは決して楽ではありません。

献立を一定の期間でローテーションさせるサイクルメニューで、毎日々々の献立づくりから解放されましょう。

「ローテーションでは飽きてしまうのでは?」と懸念される方もいらっしゃるかもしれませんが、月に2~3度同じメニューが出てきたところで意外と気にならないということが多いものです。

献立を固定化することにどうしても抵抗感を覚えるということならば、使う食材をローテーションする方法も。
たとえば鶏肉なら「1巡目は鶏モモ肉の照り焼き、2巡目は棒棒鶏(バンバンジー)、3巡目はチキンカレー」などといったように、食材だけ決めておいて調理方法や味付けを変えます。

こうすることで献立の決め方が「鶏肉を使った何か」となって範囲が狭まる分「肉か魚か、肉なら牛肉か豚肉か鶏肉か……」といった決め方よりもすんなり決まります。

この食材レベルのサイクルメニューは、特定の食材を何度も経験することにより慣れていき、苦手食材克服につながるとして、多くの保育園や小学校などの給食で採用されています。
小さな子どものいるご家庭なら、そういった副効果も期待できそうですね。

食材のローテーションであってもやはり気になるという場合には、月曜日は肉の日、火曜日は魚の日、水曜日は炊き込みご飯の日……といったようにパターンを決めておくだけでも献立は立てやすくなるはず。

完全なローテーションからおおまかな半固定化まで、ご家庭ごとに馴染むレベルで献立づくりを楽にしてみましょう。

4.「ちょこっと家事」をルーティン化

テレビ掃除

家事には「それなりの時間をかけて取り組むもの」と「ものの数分で終わらせるもの」とがあります。

一般に、後者のようなほんのひと手間の「ちょこっと家事」は、何かのついでに済ませてしまうのが効率がよいといわれます。

確かに、洗面台で手を洗う際に鏡を拭いておく、窓を開け閉めするときに窓枠のホコリを払っておくといったように、ついで仕事としてならばさほどの面倒もありません。

ただ、ついでに対応しておくというのは、言い換えれば「気がついたときにしておく」ということ。

気がついたけど今しなくてはダメ?後ではいけない?と迷ってしまうこともあれば、忙しくしていて全然気がつかないことも……。

気がついたときベースではかなりムラが出たり、気がついても面倒で見て見ぬふりをしてしまうことが多かったりするなら、そうしたちょっとした家事のあれこれをひとまとめのルーティンにしてしまいましょう。

おすすめは毎朝の起き抜け、または1日の終わりの就寝前。

下駄箱の上をハンディモップでサッと撫でる、洗濯かごに放り込む前のタオルで洗面台をグルっとぬぐう、金魚に餌をやる、ソファの上のクッションを整える、食器拭きを交換する……。

複数の「ちょこっと家事」を、やりやすい順序で一連の流れとしてルーティン化し、朝起きてきたら(あるいは夜寝る前に)まず行なうと決めてしまいます。

そう決めてしまえば、タイミングを見計らう必要はもうありません。
決まったタイミングにルーティンとして手早く淡々と処理するのみですから「後で下駄箱の上のホコリを掃除しなくちゃ……。だけどさっきもそう思ったのに後回しにしたのよね」と小さく自己嫌悪したりすることももうしなくて済みます。

5.掃除を定期イベント化

掃除

やらなくちゃ、でも今はまだやりたくない……という葛藤が多い家事の筆頭が掃除ではないでしょうか。

フローリングの上をホコリがフワ~ッと舞っているのを目にすれば掃除の必要性は明らかなのに、その一方で、掃除するのを負担に感じてしまうからです。

掃除という行為そのもの以上に「いつ掃除すべきか」「今日掃除すべきか明日以降でも問題ないか」を判断して実行に移すことに苦痛を覚えてしまうなら、掃除を定期イベント化してしまいましょう。

資源ごみの日は〇曜日と定められているからこそ「空き缶がだいぶ溜まってきたけど、まあ明日でいいか」とはならず、決められた曜日に出しますよね。

掃除も、何曜日はどこを掃除する日と自分で決めることで、迷ったり葛藤したりしなくて済みますし、その曜日以外には掃除しないと割り切ってしまえば(たとえ多少汚れが目立ってきたとしても)心穏やかです。

掃除は好きではないけれど、ピカピカでなくてもいいからいつも一定以上の清潔さを維持していたいという望みを、ストレスを感じることなく叶える方法として、各所の掃除を完全定期化することは有効といえます。

まとめ

日常的に対応が必要な家事だからこそ、自身で手配しなくても済むことが増えれば、それはそのままゆとりにつながります。
いちいちその場で判断することなく半ば自動的に進めることができれば、時短となるだけでなく、気持ちを楽にもしてくれるでしょう。

システム化というと業務管理のイメージが強いかもしれませんが、要するに「うまくいく仕組みづくり」ということ。
このシステム化の考えを家事にもおおいに活用して、放っておいても円滑に進んでいくような仕組みをつくり上げませんか?