とりわけ共働き家庭では、大活躍しそうな時短家電!
ただ、家事スタイルは各家庭によりさまざま。
お隣さんや同僚が絶賛しているからといって、あなたの家で本当に家事が楽になるかどうかは別問題です。

メリットだらけのように思える時短家電ですが、各家庭の状況や家事スタイルによっては、うまく使いこなせなかったり、逆に手間が増えてしまうなんてことも。我が家の家事スタイルとの相性について、購入前に確認しておきましょう。

1. ドラム式洗濯乾燥機

ドラム式洗濯乾燥機
乾燥まで任せられて洗濯物干しの手間が省けるドラム式洗濯乾燥機は、今や共働き家庭の必需品との声も高い家電です。

ですが、以下のような方は、ドラム式よりも縦型洗濯機のほうが向いているかもしれません。

1-1. お日様で乾かしたい派

お日様のにおいがしないと干した気がしない、晴れている日に乾燥機能を使うことになんとなく罪悪感を持ってしまうという人の場合、やはり外干しを基本として乾燥機能は雨の日などに使うだけということになるでしょう。

それでは干して取り込んでの手間が省けるという時短家電の利点を活かせないばかりか、乾き上がった洗濯物の手触りが悪くなる問題も発生してしまいます。

なぜなら、叩き洗い方式のドラム式では繊維がどうしても寝てしまうため、衣類全般にいえますが特にタオルのゴワつきが顕著だからです。(最新機種ではある程度改善されているとはいえ、縦型洗濯機の洗い上がりにはまだ及ばないのが実情)

ただし、外干しする前に10~20分などごく短時間乾燥機能を利用することによりタオルなどのけばを立たせることができるので、その手間をかけられるのであればふんわりとした仕上がりに近づけられます。

1-2. 乾燥機NGな衣類が多い

乾燥機不可のデリケートな衣類や、最後まで乾かすとシワくちゃになってしまう綿や麻のシャツが多い場合は、注意が必要です。

そういった場合、乾燥機能に切り替わる前に一旦停止して、洗濯物を選別することに。
当然「夜セットして朝仕上がっている」というドラム式洗濯機ならではの使い方は無理となります。

シワ問題については、ハイエンドモデルであれば多少改善されていますが、満足できるレベルであるかどうかの確認は必要でしょう。

1-3. 設置スペースにゆとりがない

一概にはいえませんが、ドラム式洗濯機は総じて縦型洗濯機よりも大きく、場所を取ります。
また、ドア式の扉を手前に引いて開ける構造のため、その分のスペースも必要です。

洗濯機を設置することになる脱衣所などが手狭な場合、大きなドラム式洗濯乾燥機のせいで全体として使いづらくなってしまう可能性があります。

1-4. こまめな手入れは苦手

縦型洗濯機であれば糸くずが溜まってきたなと思った時点で処理すれば済みますが、ドラム式の場合は高頻度で綿ボコリや糸くずを掃除しなくてはならないという点は見落とされがちです。

乾燥時に排気される箇所のフィルターはできれば毎回、少なくとも2回に1回はホコリを除去しないと乾燥効率がガタッと落ちますし、排水フィルターも週に1度程度の手入れが必要。

こまめな手入れが苦痛という人は、その手間をかけられるかについて考えてみましょう。

1-5. 家電はコスパ重視!

コストパフォーマンスの点でいえば、縦型洗濯機が有利です。

もちろんドラム式ならではの魅力はありますが、洗濯機として考えたときの縦型との性能差は価格差ほどではありません。

比較的寿命の長い家電といえども突き詰めれば消耗品なのだからコスパ重視で選びたい!という人には向かないでしょう。

2. 食器洗い乾燥機

食洗機
手間が省けるだけでなく、手洗いするよりも水道光熱費が抑えられると聞けば、食器洗い乾燥機を導入しない理由がないようにも思えます。

とはいえ、これもまた以下のような家庭の状況の場合は、宝の持ち腐れになってしまうかもしれません。

2-1. 少人数世帯で且つ食器数が少ない

たとえば夫婦ふたり暮らしの家庭の場合、1回の食事で発生する洗い物の量がもともと少ないため、ガランとした庫内の食器洗い乾燥機を稼働させる気にならないことは多いものです。

そうなると、下洗いした食器を庫内に溜めておき、そこそこの量になった時点で稼働させるということになります。

食器の数が多めの家庭であればそれで問題はありませんが、使いまわしの効く厳選食器を必要な人数分だけ揃えている家庭の場合、当然の結果として食器が不足する事態に。

せっかく食器洗い乾燥機があっても都度手洗いすることになる状況にならないか、その点を考慮しましょう。

2-2. 食器洗い乾燥機不可の食器が多い

食器に興味があり、買い集めた食器を食卓に並べることが好きという人は要注意!
何でもかんでも食器洗い乾燥機で洗えるわけではありません。

漆器や木器、竹製品、箔入りの器、上絵付きの器、銀器、クリスタルガラス(鉛入りのもの)、耐熱性のない製品などは、変形・変色したり、ひび割れたり、曇ったりするため、食器洗い乾燥機では洗えません。

また、磁器よりももろく吸水性もある陶器も、食器洗い乾燥機では洗わないのが無難といわれますので、特に和食器が好きでたくさん集めているという家庭などでは、食器洗い乾燥機の活躍の機会が少なくなる可能性があります。

3. お掃除ロボット

お掃除ロボット
家に帰ってくると部屋がきれいになっている……!嬉しいですよね。
ですが、室内状況によっては不向きな場合もあります。

3-1. 凝ったインテリア

お掃除ロボの力を発揮させるには、床置きされたものがほとんどない広々とした状態にあらかじめ整えておく必要があります。

比較的家具が少なくシンプルなインテリアの家庭であればさほどのことではありませんが、床置きアイテムを多く利用したインテリアの場合、お掃除ロボを走らせるための準備だけでもなかなか大変です。

スツールや踏み台などを複数使ってまとめていたり、ラグ上にクッションをいくつも置いたエスニック調インテリアにしていたりするなら、そうした手間を考慮しましょう。

また、フロアランプや大型の置き物、ひとり掛けのソファやオットマンなど、お掃除ロボを稼働する際にも基本的に置いたままにしておくものが多い場合、床面の形状が複雑になって掃除効率は落ちます。

そのようなご家庭では、お掃除ロボを稼働する度に床にある物を一旦仕舞う手間をかけるよりも、小回りの利くコードレスクリーナーで隙間時間に掃除をする方が、結果的には時短になると言えるでしょう。

3-2. 段差のある間取り

掃除機タイプのお掃除ロボはかなりの段差でも乗り越えますが、拭き掃除タイプのお掃除ロボは段差が得意ではありません。

特に水拭きモードで稼働させた場合、ごくわずかな段差でも乗り越えられないことがあります。

ケーブルカバーが廊下を横切っている、床材の切り替え部分のある間取りであるなど、拭き掃除タイプのお掃除ロボを十分に活かしきれない環境ではないかを事前にチェックしておきましょう。

4. 自動調理機

近年話題の自動調理器を使えば、帰宅するとホカホカの料理ができ上がっているというのですから、魅力的なことこの上ありませんよね。

しかし、自動調理器を活かせる家庭ばかりとは限りません。

4-1. まとめて作り置き派

自動調理器では、容量的にいってその日の分を都度作ることが前提となっています。

大容量タイプもあるにはありますが、その場合大家族でない限り連日同じ料理を食べることになるか、最低でも冷凍する手間はかかってきます。

週末に作り置きおかずをまとめて作っておくというスタイルの家庭では、まずその習慣を変えるというハードルがあるということです。

4-2. 煮物を食卓にあまり出さない

蒸し物や炒め物などももちろん作れますが、自動調理器の真骨頂はやはり時間をかけてコトコトと煮込んだ煮物です。

言い換えれば、もともと煮物をあまり好まないという家庭だと、自動調理器のもっとも得意とするメニューが滅多に登場しないということ。

気にならないなら問題はありませんが、なんだかもったいないと感じるようであれば、自動調理器以外の解決策も当たってみるとよいかもしれません。

4-3. 料理がとても苦手で興味も持てないタイプ

自動調理器は魔法の鍋ではなく、あくまでツールです。
しかも、まだ発展途上にあるツールですから、使いこなすレベルになるにはある程度の料理の腕や経験、そして熱意が必要です。

自動調理鍋を買ったらあとは付属のレシピ本だけ参考にしてすべてお任せするつもりという場合は、レシピどおりに材料を投入して作ったその料理の味に納得いかなかったときにメリットを享受できなくなる可能性大です。

5. まとめ

家事に充てられる物理的な時間が少ない共働き家庭にとって、時短家電はおおいに活用すべきアイテムです。

その一方で、買おうとしている時短家電が我が家の家事スタイルにフィットするものなのかどうか、そこの見極めがうまくいかないと宝の持ち腐れとなってしまうことも。

我が家で使った場合にその特長を十分に活かせるのか、本当に家事が楽になったと確かに実感できるのか、実際の家事の流れを思い起こしながらシミュレーションをすれば、ぴったりの時短家電を見つけやすくなるはずです。

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