共働き夫婦の家事分担では、出勤時間が遅いほうが子どもを保育園へ送る、帰宅時間が早いほうが夕食の支度をするなど、世帯全体で考えたときにもっとも効率がよくなるような分担方法が軸となります。

でも、夫婦ともに多忙なケースでは、自分たちだけですべて対応しようとすれば共倒れの危険性大!アウトソーシングも検討してみましょう。

共働き夫婦・子育て世帯にとり利用価値の高いサービスにはどういったものがあるでしょうか。

1.家事代行サービス

家事代行サービス

家事全般あるいは特に負担となっている分野の家事をプロにお任せすることのできる家事代行サービスは、多忙な共働き夫婦や家事にまで手が回らない子育て世帯がまず検討したい、時短・省力効果の高いサービスといえます。

掃除や洗濯、料理といった物理的な時間や精神的なゆとりさえあれば自分でもできるはずの作業・行為を外注するということに抵抗感を覚える人も少なくないかもしれません。

ですが、現に時間もゆとりもない状況にあるのであれば「サービスに頼って状況が好転するならそれでよし」という考え方に切り替えることは、気持ちに余裕を生むきっかけとなります。

また、帰宅後やたまの休みに疲れたからだにむち打って自分でこなす家事よりも、家事の得意なスタッフが短時間のうちにてきぱきと進めてくれる家事のほうがはるかに効率的であることがほとんど。

さらにいえば、仕事時間を確保するために家事代行を依頼する場合、代行してもらうことで確保できる時間に働いて得られる収入が代行料金を上回るなら、少なくとも経済効率の面では正解なのです。

初めての人向けのお試しプランが用意されていることが多いですので、まずは一度試してみてはいかがでしょうか?

2.宅配クリーニングサービス

クリーニング

預けるときと受け取るときの2回来店が必要なのがクリーニング店。
とはいえ、衣替えのタイミングくらいしかクリーニング店を利用しないというのであれば、さほどのことでもないでしょう。

また、家事代行サービスを利用中であれば洗濯も対応してもらえますので、クリーニング店を利用する必要性自体がありません。

その一方で、1週間分のワイシャツを毎週クリーニング店に持って行くというような家庭にとっては、自宅近辺や通勤経路上にクリーニング店がなければなおのこと、結構な手間といえます。

そんなときに便利なのが宅配クリーニングサービスです。

クリーニング店へ出向く手間を省ける他にも、意外と重くなりがちな衣類を持ち運びしなくて済む、お店の営業時間を気にする必要がないといったメリットがあり、クリーニングに関連するストレスを確実に軽減してくれます。

気になる料金だけでなく、仕上がりのレベルや所要日数、梱包形態、依頼方法の利便性、保証制度の有無、付帯サービスなども各社さまざま。サービス内容を確認し、ニーズに合うところを見つけましょう。

3.食材宅配サービス

食材宅配サービス

毎日のことだけにかなりの負担となっているケースが少なくない食事づくりのためのあれこれ。夫婦とも毎日帰宅が遅くなるという家庭であれば、そうした負担はなお一層大きくなります。

週末に1週間分の食材をまとめ買いするスタイルや、作り置きおかずもメジャーですが、それはそれで重労働ですよね。

そんな食事まわりの負担を大幅に軽減してくれるのが、食材宅配サービスです。

必要な食材すべてを宅配サービスでまかなうのではなく、宅配サービスで購入する食材をメインにして足りない分は早めに帰宅できた日に買ってくるもので補うという利用のしかたであっても、手間や負担はグッと減るでしょう。

肉や野菜といった単なる食材だけでなく、オイシックスの「Kit Oisix(キットオイシックス)」やヨシケイの「Cut Meal(カットミール)」のような下ごしらえ済みのキット(ミールキット)を扱うところも多くあります。
買い物の手間だけでなく、調理の手間も、それ以前に献立を考える手間さえも少なくしてくれるのですから、ぜひ上手に活用したいですね。

また、生協系サービス(パルシステム、おうちコープ、生活クラブなど)を中心に、裏ごし野菜や骨取り済み魚といった離乳食や幼児食にすぐに使える下処理済み食材も豊富に取り扱われています。

外出がしづらい上に落ち着いて台所仕事ができない子育て世帯などにとっても、買い物に行く手間が省け、時短につながる便利な食材のラインナップが充実した食材宅配サービスは、大きな助けとなることでしょう。

4.ベビーシッターサービス

ベビーシッター

保育園であっても閉園時間は20時前後というのが主流。幼稚園の預かり保育の場合はさらに早いことが大半です。
また、ほとんどの保育園・幼稚園が、週末や祝日には閉園しています。

夫婦どちらも閉園時間までに帰宅できない場合、夫婦ともサービス業に従事していて土・日・祝日の子どもの預け先がない場合など、ベビーシッターサービスが選択肢となるでしょう。

その他に、在宅ワーク中の子どもの世話、リフレッシュの時間捻出といった用途でのサービス利用も。

仕事が理由であれ、リフレッシュが理由であれ、必要なときに駆けつけて子どもの世話を引き受け「自分たちだけで頑張らなくても大丈夫」と気づかせてくれるのがベビーシッターです。

なお、ベビーシッターというと赤ちゃんのお守りというイメージがありますが、実際には小学生や中学生であっても対応しているサービスが多いです。

園への子どものお迎えや自宅での学習(ピアノ・英語など)の他、食事の準備などもオプションとして併せて対応してもらえる場合もありますので、各社サービス内容を確認してみましょう。

5.病児保育サービス

病児保育

普段の生活は夫婦で家事分担することで回していける家庭でも、子どもが熱を出すなどした際に夫婦のどちらが仕事を休んで看病するかが問題となるという話はよく聞かれます。

どちらかが仕事を休めればそれが一番ですが、夫婦ともに繁忙期に当たっている、重要な会議を主催する立場である、個人で運営するお店に既に予約が入っているなどの事情で、どちらもどうしても休めない場合もあるものです。

そういった際の心強い味方が病児保育サービスです。

一般の保育園に併設された病児保育室、専用の病児保育施設、保育者が自宅に派遣される自宅訪問型の3種類がありますので、アクセスや希望する保育スタイルなどに応じて選択しましょう。

かかりつけ医の受診を引き受けてもらえたり、隣接する小児科の看護師による投薬をお願いできたりといったサービスもある一方で、事前に医療機関の診療が必要とされる施設もあるため、利用規定の確認が必要です。

まとめ

諸外国に比べ、日本では家事や子育てに関連するアウトソーシングがそれほど一般的ではない理由には文化的な背景なども絡み、サービス利用をためらう心理を払拭するのは簡単ではないかもしれません。

しかし、そうしたためらいがワンオペ育児や、家事を巡る夫婦間のいさかい、休日が「家事の日」化していることによる慢性的な疲労などにつながっているのだとすれば、アウトソーシングは間違いなくひとつの解決策。
そして、アウトソーシングが解決策であるならば、それにかかるコストは必要経費といえるのではないでしょうか。

仕事上での責任や忙しさも、子育ての大変さも、往々にして同じような時期に大きくなるもの。
逆にいえば、いっぱいいっぱいな毎日もやがては落ち着くはずなのです。

一番大変な時期を乗り切るために少しだけ人に委ねてみる。
ご紹介したような各種サービスを利用することの意義や価値はそういったところにある ――そんな風に考えてみませんか?