女性の社会進出が著しい日本です。男性が家事に積極的に参加するようになってきてはいるものの、家事は家族がこなすことが当たり前。まだまだ代行で時間を短縮させようといった発想は根付いていませんね。
タイは女性の社会進出は日本より一歩先をいっています。ただし家事をこなすか否かは、千差万別です。また家事代行についても少し他とは違った特徴があります。
まだまだ貧富の差が激しい国ならでは家事事情を現地リポートします。

1.タイの共働き事情

有名な話かも知れませんが、タイは女性が非常に活発で家事も仕事もバリバリこなすことが当たり前の日常です。
逆に男性はというとあまり評判はよくありません。もちろん働いている人もいますが、そこは暖かい地域の必然なのか、のんびりしている方を街中でもよく見かけます。
外でも中でも良く働くのは女性というのは、タイ国内における共通認識と言っても良いでしょう。

2.タイ人の家事に対する考え方

しかし、良く働くタイ人女性であっても、家事に関しては考え方は千差万別です。またタイ独特のものがあると感じられます。
元々の文化や経済事情が影響していると考えられますが、他の国とはかなり違った一面を紹介していきます。

2-1.食事について

タイ 屋台

タイという国にとって食事面は最も特徴的かも知れません。
と言うのも、最も大衆的なタイ料理を食べるのであれば、自炊するより外食してしまった方が安くつくからです。
バンコクでもお馴染みの屋台の料理は現在一食40バーツ〜(1バーツ=3.5円なので140円!)ですから大抵の家庭において、外食で食事を済ますというのはごく当たり前のこと。
外で食べなかったとしても、屋台で作られた料理を袋に入れて持って帰り、家の皿に空けて食べるという風景も良く目にします。

加えて最近だと、首都バンコクを中心に、「Grab」というサービスが大流行しています。
Grabは日本で言うところのUber Eatsに当たりますが、その普及度合いは日本とは比較にならないほどです。
街行くバイクにGrabのバックを持ったドライバーを見ない日はないですし、YouTubeのCMもGrabのものに遭遇する率が最も高いと言って良いでしょう。

ですので、タイ人にとって家庭で料理を作るという行為は、「生活のため」というよりも「趣味」と言った向きが強くあります。
もちろん、家事代行や家政婦を雇ったところで、そこで料理を作らせるということは聞いたことがありません。
この点は、他の国と比較した場合、最も異なる点ではないでしょうか。

2-2.洗濯について

一方、洗濯についてはタイ人女性の得意とするところです。
街の隅々で洗濯物を洗濯機で洗った後、物干し竿に掛けている姿を見かけます。
一年中高温多湿であるタイですから、洗濯物の量も多くなりがち。
街の衛生状態は日本に劣るかも知れませんが、綺麗好きなタイ人は、1度着た服を2度着ることはなく洗濯機へ直行します。洗濯の回数に至ってはタイの方が日本より多いのではないかと思います。

また、クリーニングのサービス店も充実しており、街の至る所に点在しています。
日本と比較すると半額くらいの安さで済みますし、預ける服は夏物ばかりになりますから、洗濯機を利用しないで全部クリーニングに任せてしまう人も多くいるようです。
実際、クリーニングの配達業者をGrabと同じく良く見かけることがあります。

2-3.掃除について

掃除

掃除についても洗濯と同様、タイ人女性は非常に手早く済ませる傾向にあります。
タイでは気候が温暖である為、床にひんやりとした質感のタイルを敷き詰めてある作りの家が多くみられます。タイル床には掃除機ももちろん使えますがホウキが力を発揮します。
ホウキ一本あれば、かなり広い部屋であっても床のゴミをかき集めることができるので、それだけで済ます家庭も多くあります。
家事代行サービスの方の立場から考えても、部屋の掃除に関しては比較的楽なのではないかと思います。日本のように畳や絨毯の部屋はほとんどありませんので掃除が比較的簡単に済みます。

3.タイの家事代行サービスは?

ベッドメイキング

上記で述べたように、タイの食事・洗濯・掃除事情を考えると、家事代行サービスのメインの仕事は、洗濯と掃除になります。
加えて、食器の洗浄・ベットメイキングくらいでしょうか。
家庭で食事を作るサービスもあるにはあるようですが、裕福層が有名なシェフを連れてくるといった、一般的な使い方ではないようです。

家事代行サービスの方は、コンドミニアムやサービスアパートに入れ替わり立ち代わり回っては、1部屋1時間半程度で掃除や洗濯を済まし、1日に3〜4件回るというスタイルが多く見られます。

また、頻度は週1〜3回と選べる場合が多く、コンドミニアムやサービスアパートが個人や業者と契約している場合がほとんどです。

料金は月1,000バーツ(3,500円)程度〜。日本や海外からの駐在員や、タイでも共働きで忙しい夫婦にとっては非常に格安である為使いやすい価格帯です。

4.タイの家事代行サービスは「料理なし」だけど便利

タイ特有の家事代行サービスについて紹介しました。
もしかするとタイと同様、食事が外食で非常に安く済ませられる地域の家事代行サービスはこれに似たスタイルかも知れません。
逆に日本やその他欧米については料理もサービスの柱かも知れませんね。
また、掃除はホウキを使って簡単にできるのでは?と思われるかも知れませんが、料金の安さから家事代行を頼む人も多いです。一方、回数が多くなりがちな洗濯はより価値が高いかも知れません。

ただ、料理抜きの掃除と洗濯のみのタイ家事代行ではありますが、非常に満足度は高いです。
掃除は隅々まで行き届き、洗濯も綺麗でアイロンもばっちりかかっている。文句なしの出来です。アイロンに至っては、ジーンズやTシャツにもかけてくれるので、少しサービス過剰な面もあるくらいです。
さながら、ホテルに住んでいるような気分になれます。

1000バーツでこれだけのサービスが受けられるのはタイが物価の安い国ということもありますが、それでも値段以上の価値があるように思います。
特に忙しい方にとって、時間は何よりも価値のあるもの。
その価値と引き換えにであれば、少々の出費を考えた方が得なのかも知れません。個人的には倍になってもまだお得感は残ると思っています。