育児休暇を終えて職場に復帰すれば、慌ただしい毎日が実際にどんなものかを想像しきれない……。そんな風に考えては緊張感を高めているだけでなく、わからないなりに今のうちから何かできることはないでしょうか?
育休明け前にぜひ進めておきたい具体的な準備や注意点を、実体験を踏まえてご紹介します。
目次
1.職場復帰後はどうなる?育休明けからの生活は未知の世界
職場復帰後の生活についてある程度の予測はできても、結局のところ、蓋を開けてみないとわからない部分が少なくありません。
職場のシステムが大きく変わっているかも。頻繁に熱を出すタイプの子どもかも……。考え始めたらきりがないですよね。
復帰後の暮らしを完璧にシミュレーションすることができないからこそ、予測できる範囲のことにあらかじめ備えることが大切です。
それは、そのときになってみないとわからないことに対処する余裕を確保するためといえます。
2.職場復帰前にしておきたい準備とは?
職場に復帰する前にしておきたい準備にはどういったものがあるでしょうか?
2-1.「やめる」か「減らす」か「手分けする」
育児タスクが上乗せされる一方で、家のことに割ける時間が物理的に大幅減する復帰後の生活。従来通りの量と質の家事をこなしきれるものでは到底ありません。
減る時間に見合うレベルまで、日々発生する各種の家事を「やめる」か「減らす」か「手分けする」かしましょう。
日用品の買い物はやめて定期配達サービスを利用する、ドラム式洗濯機に乾燥まで任せて洗濯の手間を減らす、食事はママが調理担当でパパが後片付け担当といったように手分けするなどです。
職場復帰後しばらくは、家事の進め方を見直したり分担を話し合ったりする時間をなかなか取れないもの。とりあえず復帰して様子を見てからと先送りせず、大枠のシステムは構築しておき、復帰後は状況にあわせて細かな調整をするだけで済むようにしておくのが理想です。
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2-2.パパ側の体制を整えておく
ママが育休を取っていた場合、その間の家事や育児は家に留まっているママが一手に引き受けていたというケースは多いようです。
そのため、育休期間中は家事・育児をほぼ免除されていたパパが、育休後のライフスタイルに順応できないことも少なくありません。
パパには、育児を含め家のことを夫婦ともに主体的に行なっていくことで家庭は初めて回っていくのだという認識を新たにしてもらいましょう。
また、保育園の送り迎えや寝かしつけといった子どものお世話に関することは、子どもによっては「ママでないとダメ」という状態になってしまう可能性も。早いうちからパパも関わるようにしておくと安心です。
2-3.頼る先の確認・確保をしておく
「綱渡り」となることも多い復帰後の生活。
間に合わない!駆けつけられない!休めない!といった緊急事態に頼れる先を整理し、準備を整えておきましょう。
実家の手を借りられない場合は、お互いに助け合えるようママ友に話を通しておく。ファミリーサポートセンターや病児育児保育施設にあらかじめ登録しておく。こうした事前準備はいざというときに効いてきます。
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また、家事代行サービスや食材宅配サービスは、日常的に利用するつもりはない場合でも、必要となったときにすぐに利用できるように申込・登録だけはしておくのがおすすめ。
食材宅配サービスは、小さい子供がいる場合は手数料、配達料が無料または割引になる会社もあるので、この時期上手に活用するといいでしょう。
2-4.「育休中にしておくと楽」なことを済ませておく
復帰すれば動けるのはほぼ休みの日だけ。
平日の日中にも動ける育休中にあれこれ済ませておきましょう。
たとえば、時期や順序が厳密に決まっている上に子どもの体調との兼ね合いもある予防接種は、育休中に済ませておくと楽。
同様に、歯の治療なども平日の昼間に予約を入れられるという立場がかなり有利に働きますので、復帰前に済ませてしまいます。
また、産後に体形が変わっていれば、いざ復帰するとなったときに(考えたくはないことですが)着られる服がないという事態もあり得ます。ワードローブをチェックして、必要であれば買い替えましょう。
じっくり検討したい大型家電の買い物なども、復帰前ならそれなりに検討時間を取って納得の行く買い物ができる可能性が高そうですね。
2-5.子どもを連れて職場を訪問する
職場が遠方だったり、業種的に難しかったりといった事情にもよりますが、可能であれば子どもを連れて職場を訪問しておくことをおすすめします。
知らない子どもが大声を張り上げていると「うるさいなぁ」と感じてしまうのに、それが見知った子どもだと「おー、今日も元気に遊んでるな」などと微笑ましく思うのが人間です。
どれほど子育てに理解があり働きやすい職場だとしても、職場の同僚に一切の迷惑をかけずにこの先仕事をしていくというのは現実的にまず無理。子どもの顔を見せておくことは、迷惑をかけた際の心証を少しでも良くすることにつながります。
また、出産前の自分の働き方が記憶に残っている職場の人たちに「子育てをしながら働く自分」をイメージしてもらえることの効果は小さくないといえるでしょう。
3.子ども目線の「復帰後の生活」対策も忘れないで!
育休明けから一変するのは親の生活だけではありません。忘れていけないのは、子どもの日常も激変するのだという事実です。
3-1.徐々に規則正しい生活へ
大好きな家族と常時一緒、基本的に好きなときに起きて好きなときに寝ていたような生活から、いきなり規則正しい集団生活を要求されることになるというのが子どもの立場から見た育休明けです。
通園予定の保育園での一日の過ごし方の流れがわかり次第、起床・就寝、昼食や間食の時間などの生活リズムをそれにあわせて調整していきましょう。
「家庭生活と保育園生活の落差」を前もって小さくしておくことで、復帰直後のストレスを親子とも軽減することができます。
3-2.哺乳瓶&ミルクと仲良しに!
完全母乳育児の場合、復帰後のミルクへの移行がスムーズに行くように、日に1回はミルクにするなどして粉ミルクの味と哺乳瓶とに触れさせましょう。
冷凍した母乳を保育園に持参する予定の場合にも、少なくとも哺乳瓶には慣れさせておく必要あり。
育休明け直前になって哺乳瓶を断固拒否する我が子を目にしたら、切羽詰まった気持ちになってしまいかねません……!
4.育休明けを控えて注意したい点は?
上に挙げたような準備のほかに、注意したい点としては次のようなことがあります。
4-1.「時短勤務だから大丈夫」ではないという夫婦の共通認識はできている?
復帰後の勤務スタイルが時短勤務となる場合、「家事・育児を担当するための時短勤務ではない」という認識を夫婦間で共有しておきましょう。
もしもパパが、家事・育児は時短勤務しているママにお任せして自分は引き続き仕事に専念すればよいと受け止めてしまっているとすれば、これは極めて危険!
フルタイムか時短勤務かを問わず、働きながら家の中を回していくには夫婦二人三脚が必須です。
4-2.仕事と育児・家事の両立をイメージし過ぎていない?
仕事はブランクがある分だけ効率が落ちているのが普通、家に帰れば子どもを中心に動かざるを得ないから家事が進まない……というのが育休明け後のリアル。
完璧を思い描くのは落ち込みの原因に。復帰後しばらくは、職場ではリハビリ期間、家庭では研修期間なのだと考えるのが吉です。
5.暮らしと心の下地準備は「怒涛の毎日」が始まる前に
筆者の息子は、ありがたいことに保育園大好きな超絶健康優良児、呼び出しの電話も年少のときに一度きり。非常に理解のある職場でしたし、思えば本当に苦労知らずなワーママでした。
それでも、時間に追われ、体力を奪われ、あらゆる意味で余裕のない、まさに怒涛の毎日だったと思います。
準備万端整えたところでスムーズに行くことなどまずない育休明けの日々ですが、暮らしの土台を整えておけば、そんな怒涛の毎日の「ひっちゃかめっちゃか度」が下がるのは確か。
復帰後に必ずや出てくる課題に四苦八苦しているに違いない未来の自分を手助けするため――そう考えて、現時点で見えている部分に可能な限り手を打っておきましょう。