家事の負担を減らそうと知恵を絞ってみても、たとえば洗濯そのものはなくせませんし、生活する限り大なり小なり片付け作業は発生します。
そう、暮らしを営む以上は家事そのものをゼロにすることは不可能。
でも「家事のぜい肉」を落としてシンプルにすることは可能です!
やめても問題のないプロセスを削ぎ落としたシンプル家事を目指しましょう。

1.洗濯のときに裏返しにするのをやめてみる

衣類のダメージを防ぐ昔ながらの方法に、裏返して洗濯することが挙げられますが、裏返しになった洗濯物を1枚1枚表に戻すのは意外と手間がかかるものです。

ハンガーにかけて干したものをそのままクローゼットに収納するという方法を実践していれば、裏返しになっている衣類を一旦ハンガーからはずして、表に戻したものを再びハンガーにかけ直すことに。
これではハンガー収納の「畳む手間がかからない」というメリットも台無しです。

裏返しで洗い上がったもの、乾いたものは、裏返しのままで収納する方式に変更してみましょう。

自分が着ようとしている服を表に返すだけならさほどの手間ではないはず。
各自着るときに表に返すルールにしてしまうのです。

あるいは、いっそ裏返して洗うのをやめにしませんか?

洗濯機の摩擦で毛羽立たせないよう、紫外線で色褪せさせないよう裏返して、長く大切に着続けることは確かに生活の知恵でした。

ですが、洗濯機の性能はここ数十年で大きく向上しています。
服の購買サイクルや消費スタイルも様変わりしました。

洗濯を重ねて着古した印象になるよりも早く、なんとなく今っぽさがなくなり着られなくなっていることのほうがずっと多いのが昨今の洋服事情ではないでしょうか。

2.アイロンがけをやめてみる

ハンカチ

アイロンがけの必要な素材やデザインの衣料品を極力買わないようにすれば時短となりますが、どうしても避けられない要アイロンがけアイテムというものも存在します。

たとえばワイシャツ。
こればかりはヨレッとしていてはだらしなく見えてしまいますから、クリーニングに出すなら問題ありませんが、ホームクリーニングとなるとアイロンがけが必須。

それからハンカチ。
どうせ使えばクチャっとなるとはいっても、シワシワではさすがにちょっと……。

シワが寄っていてはどうしても困るものは、形態安定加工された品を選ぶようにしましょう。

形態安定加工されたワイシャツなら、ホームクリーニングでもアイロンがけはほぼ不要です。(ただし、袖山や背中のタックがピシッと見えていないと気になるという方には物足りないかもしれません)

以前は形態安定シャツというと化繊混紡のものばかりでしたが、近年ではコットン100%の形態安定加工シャツも一般的です。

ハンカチにも形態安定加工されたものが見つかります。(パリッとアイロンが当てられた状態よりは若干ソフトな仕上がりです)
スーツのポケットに入れるからタオルハンカチというわけにもいかないし……とお悩みの方におすすめです。

ブルックスブラザーズ イージーケアハンカチ

3.下着や靴下のきちんと収納をやめてみる

下着や靴下などの小物類も、きちんと並べて収納するのは意外と手間がかかるもの。
ここでも、少し考え方を変えてみましょう。

もとより「見せる収納」をする類のものではありません。
数が特別多いのでなければ、雑然としているからといって目的のものを見つけられないということもなさそうです。

また、トップスやボトムスなどある程度かさ張るアイテムならともかく、ごく小さなアイテムをさらにコンパクトに畳んだところで収納性が特段にアップするわけでもありません。

小物類はカゴや引き出しにポイっと放り込む方式の収納で済ませてしまいましょう。
実際のところ、それでほとんど問題はないはずです。

なお、靴下については、全て同じ種類(色・素材・サイズなど全て同一、左右の別のないもの)で統一すると、どれとどれを組み合わせてもお対となるので、2つひと組にまとめる必要もなくなり便利です。
片方に穴が開くなどしても残りの片方は使い続けられるという効果も……!
男性用のビジネスソックスや、女性用のショートストッキングなどに特に有効といえるでしょう。

4.詰め替えるのをやめてみる

詰め替え

洗剤やシャンプーなど、詰め替え用のパウチや容器から本体ボトルへ補充するのは何かと面倒、うっかりこぼして大慌てなんていうことも。

詰め替えをやめるという選択肢を検討してみましょう。

食器用洗剤の詰め替え用徳用サイズは、容器こそ大きいものの口のサイズは通常サイズの容器と同じことが一般的。
通常サイズの容器のキャップを徳用サイズの本体に流用可能なことが多いです。
シンクまわりにどっかりと存在感のある徳用サイズ容器が居座ることを許容できるのであれば、詰め替え作業は必要なくなります。

シャンプー類の詰め替え用は、パウチに入っていることが大半なだけに、しっかりと自立するボトルよりも一層詰め替えにくいもの。
パウチのまま使用可能にする専用の注ぎ口や、パウチごと収納するタイプのポンプ容器も売っていますので、それらを利用すれば詰め替え作業は不要です。

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5.おしゃれ容器で揃えるのをやめてみる

洗剤類の詰め替えだけでなく、調味料や粉類(小麦粉など)もお揃いの容器に移し替えているというご家庭も少なくないでしょう。

売り場で目立つようにデザインされた派手なパッケージではなく、シンプルな容器で統一されていると、すっきりと見えておしゃれですよね。

でも、ゴチャッと見えるのが耐え難いというのでなければ、移し替えないという選択肢も視野に入れてみましょう。

もっとも保存性に優れた保存容器は、その食品がもともと入っていた袋やボトルであることがほとんど。

光や酸素の侵入をカットするような、長期間売り場に陳列されることを想定した仕様となっているためです。

わかりやすいのは、醤油などの容器として近年一般的となってきているエアレス機能(空気を侵入させないことにより酸化を防ぐ機能)のあるボトル。
買ってきた醤油をこの専用ボトルからおしゃれな醤油差しへと移し替えることは、少なくとも劣化防止の点からは得策ではありませんよね。

また、移し替える先の容器にずっと継ぎ足し続けていくのは衛生面で問題あり。
折を見て容器を洗浄しなくてはなりませんので、移し替え作業自体の他にも手間はかかります。

現在主流となっているチャック付きのアルミパウチなどに入っている場合は敢えて詰め替えずに買ってきたそのままの状態で使うのが、保存性の観点からは正解です。

そして、その方が省力化となることは言うまでもないのですから、移し替える手間を苦痛に感じることがあるようなら、やめることを検討するタイミングかもしれません。

6.三角コーナーをなくしてみる

三角コーナー

三角コーナーの主な役割は、生ごみの水切りですが、生ごみの大半は調理の際と食後の後片付けのときに発生するといえます。

それにもかかわらず、生ごみの受け手である三角コーナーは終日シンクの隅を占拠。
シンクの有効スペースは狭くなり、ポタポタと垂れ落ちる水分がシンクをヌルつかせる原因ともなり、お手入れの手間も発生してしまいます。

試しに一度、三角コーナーをシンクから追い出してみましょう。

新聞紙や広告紙を広げた上で野菜の皮を剥いたり、食べ残しをビニール袋に直接入れたりすれば、結果として生ごみを大型ダストボックスへとすぐに直行させることになるので、夏場の悪臭対策にも。

三角コーナーが必要となるような場面は限られているのですから、紙やビニール袋を都度用意する手間も限られ、すぐにヌメり始める三角コーナーを洗う手間に比べればむしろ楽ではないでしょうか。

やはりどうしても三角コーナーが必要と感じるのであれば、使い捨てタイプのものへの切り替えという手もあります。

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7.「ママのお茶碗」をやめてみる

多くのご家庭で、お箸やお茶碗、お湯呑みなど「これはママのお茶碗」などと特定の使い手専用の食器(属人器)があるのではないでしょうか。

この属人器の習慣は、日本では昔からあるものですが、逆にいうと日本で昔から使われてきた和食器以外では通常見られない習慣でもあります。

思い切って食器を全て共用にしてみましょう。

考えてみれば、ディナー皿やナイフ&フォークは共用が基本ですし、旅館に泊まれば(小さな子どもを除けば)食事は全員同じ食器で提供されるものです。

食卓に並べる際にもどのお箸をどこに置けばよいかと気にしなくて済みますし、食器棚などに収納する際にもサイズが揃っていれば収納効率もアップします。

まとめ

毎日の家事。日々ずっと繰り返してきたことだけに疑いもせずに続けがちですが、時折「もしかして必要ない?」という視点で見直してみることは、家事と暮らしをシンプルに、もっとラクに回していくために欠かせません。

ご家庭ごとに受け入れられる工夫と受け入れられない工夫とがあるでしょうが、受け入れられる範囲で工夫を積み重ねていくことで「我が家流シンプル家事」へとブラッシュアップしていきましょう!